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リアリティ

by namitchi

例えば小説の朗読などで
男性が主人公の小説を女性が詠んだり
逆に女性が主人公の小説を男性が詠んだりする場合
それ自体が悪いわけではないですが
ベテランの詠み手であっても
なんとなく心理描写が追い切れてないなと感じることはあります。

「これが詠みたい!」という気持ちで伝わることももちろんありますが
詠み手の性にあったものを詠むことで
その奥深い心理が引き出され、聴き手が学ぶことが多いとも思います。
それが朗読の醍醐味のひとつです。

ポップミュージックの場合、男性の歌を女性がカバーしたり
女性の歌を男性がカバーしたりは日常茶飯事で行われています。
先日の発表会でも、声域などの点で歌いやすいからか
女性の歌を男性がカバーすることが多かった。
これに違和感がないのは、解釈の変更を許されているからです。
スクラップ・アンド・ビルド
それがポップという表現が持つ圧倒的な強みと言えるでしょう。

朗読はそれ自体が解釈の変更にあたるので
小説の内容に対し大幅に解釈を変えることは基本的にありません。
そこに立脚点がある以上
やはり音楽と朗読を並列で語ることは若干無理がありますが
エンターテインメントとして、朗読が音楽と拮抗するためには
結局のところ「詠みのリアル」ってやつを追求するしか術がなく
その面白さと難しさの壁に向かい、立ちすくむ思いです。


namitchi
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